都内の賃貸マンションに住む私たち夫婦。
マイホームを買う話は2013年ごろから浮上していましたが、「これ!」という物件にはなかなか巡り合えません。東京オリンピックが決まると不動産相場がみるみる上昇。「買い時を逃したね~」と言いつつ、気長に探すモードになっていました。
しかし、夫の「不動産を何か買いたい!」という思いはひそかに燃え続けていたのです。
2017年9月、夫の知人が宅建に合格し、不動産仲介業を始めました。
自宅からはちょっと遠いけど、投資用不動産でも見つかれば…と、地方都市の物件見学に出かけた夫は、帰りの電車の中から「100坪の物件が庭も広く、中も丁寧に使われてて良かった!安すぎてヤバイ」とLINEを送ってきました。
「田舎や沖縄に帰ったような家だよ。勢いで買っても損はないと思う!」
聞けば、ポンと現金で出せそうな金額。都内の物件とはケタが違うのです。
「とにかく一度、見に行ってみて!」という夫の言葉に、
内心
(それ使い道あるのかな…)
(空き家の管理って大変じゃないのかな…)
(ちょっと遠くて不便じゃないのかな…)
と思いながら、2日後、私も物件を見に行きました。
案内してくれたのは、何でもアリーの不動産屋「LOCA」を営むアリー氏です。
「いやぁ、あの子は本当にお得な物件なんだよ (大意) 」というようなことを言いながら、「あの子」を含めて数軒の空き家を紹介してくれました。
この日、印象に残っているのは
・階段にホコリまみれの書類がたくさん積んであった家
・玄関が壊れて鍵が閉まらない家
・映画のセットのような12LDKの豪邸(にも関わらず駐車場がない家)
いずれも空き家です。
肝心の「あの子」の第一印象は、今はよく覚えていません。
ただ「庭が広い」と思ったこと、「昭和のおばあちゃんの家みたいだよ」という夫の言葉にすんなり納得したことを覚えています。
「ふーん、いいんじゃない。何に使うのか、よくわからないけど」
生意気な言いぐさのようですが、そんな感じだったのです。