空き家を購入して所有権移転登記を自分でやってみた話① いくら節約できる?編

手続き

「所有権移転登記」が完了するまでは、代金を支払っても「自分のもの」ではない

売買契約の後、もうひとつ大切な手続きが残っていました。「所有権移転登記」です。代金を支払い、領収書を受け取っても、登記が完了するまでは、公には自分のものではありません。 法務省のホームページに、次のようにショッキングなQ&Aが載っています。

念願のマイホーム購入。代金も支払い,領収証も受け取ったのに,別の「所有主」が現れた!

Q  何年もの貯蓄の末,ようやく自分の家を買いました。代金も完済し,領収証も受け取りました。約1カ月後,登記手続をしようとしたところ,いつのまにか名義が別の人に変わっていました。調べてみると,売主がより有利な条件で別の買主に二重売買したというのです。先に契約を結んだのは当方。所有権を主張できるでしょうか。

A  せっかく手に入れたマイホーム。しかし,残念ながらあなたは所有権を主張することができません。 たとえ先に譲り受けても登記を備えていないと,第三者に対する関係ではそれが存在しなかったものと扱われてもしかたがないのです。不動産物権変動は登記を備えてはじめて誰に対してもその存在を主張できるのです。トラブルを避けるために,取引がすんだらできるだけ早く登記手続を行いましょう。

出典:法務省ウェブサイト「不動産登記のABC」(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji02.html

えっ、やだ、怖い!!これ明らかに売主が悪質なのに・・・。 しかし、ひとつ間違えば、二重売買ができてしまう制度だということ。「所有権移転登記」は売買契約そのものよりも重要かもしれません。

司法書士に依頼すると「司法書士報酬」が必要

この「所有権移転登記」、一般的には司法書士に依頼することが多いようです。しかし、当然ながら手数料がかかります。今回、見積をとったところ、手数料(司法書士報酬)だけで10万円弱でした。「細かい私道の持ち分などがあるので(売買代金の割には高くなります)」ということでした。このほかに、登記にともなって必ず収める税金「登録免許税」も数万円ほど必要です。登録免許税は払わざるをえないけど、司法書士報酬は節約したい!! そこで、自分で登記してみることにしました。

住宅ローンを組む場合には、自分で登記するのは銀行が認めてくれないことが多いと聞きます。銀行の「抵当権」も登記が必要だし、もし登記漏れや間違いがあると、銀行の権利が「なかったもの」になりますもんね。 今回は現金決済だし、売主さんもちゃんとした不動産会社さんなので、二重売買の心配もなさそうです。最近は自分でやる人も増えていますよ~と、売主さんも快諾してくださいました。

司法書士報酬の相場

ちなみに、どれくらい節約できるかはケースバイケースです。司法書士報酬は、各司法書士が自由に定めることができます。相場が気になるところですが、日本司法書士会連合会のホームページに、参考になりそうな調査結果がありました。(平成30年1月に全国4,484名の司法書士にアンケート調査した報酬金額)

<日本司法書士会連合会ホームページ:司法書士の報酬>

日本司法書士会連合会
司法書士や司法書士会の活動についてのご紹介。司法書士は使える法律の知恵と等身大のアドバイスをご提供します。

こちらによれば、「売買を原因とする土地1筆+建物1筆(固定資産評価額の合計1,000万円)の所有権移転登記」では、関東地区の平均は51,909円らしいです。低額者10%の平均は31,105円、高額者10%の平均は83,795円。同じ条件でも、人によってずいぶん幅があるようですね。

登記申請の方法。所在地を管轄する法務局に必要書類を提出

登記を申請するには、所定の書類を準備して、その不動産の所在地を管轄する法務局の出張所に持っていきます。(専用ソフトをダウンロードしてオンライン申請もできるようですが、あらかじめ電子証明書の取得などが必要らしく、今回は検討しませんでした。)

管轄する出張所の場所は、法務局のホームページで調べられます。http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html

書類のサンプルは法務局のホームページに載っています。

不動産登記の申請書様式について:法務局

これを見ながら自分で作成するつもりでしたが、なんと売主さんがだいたい揃えてくださっていて、売買契約の席で一緒に仕上げていきました。これはたいへん有り難かったです。その内容は次回ご紹介します。

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